RIKIYA Interview [Part8]

―― 一回こっきりの人生で挑戦するときの心持というか、背中をポンと押すときにかけてあげたい言葉とかありますか。
RIKIYA やらないで、後で自分の中で後悔するぐらいだったら、とにかくやってみる。それでだめだったらしょうがないんだろうけれども、本当に栄光を掴もうと思ったら、それだけのリスクは絶対にかかる。それはしょうがないんだから「一回こっきりだったら、栄光を掴みに行こう」というのがいいと思いますねえ。
――いまリスクを取りたがらない時代ですよね。
RIKIYA そうですね。
――自分の中でそれを背負わない。だから、一と九十九があったら九十九のほうに入る。その中でなるべく自分もおとなしくというのがある。100の中の一になるためにリスクを超えるという、RIKIYAさんがリスクを超えるときの決意、どういう思いですか。
RIKIYA やっぱり挑戦したかったとしか言いようがないですよねえ。それと、僕は一つだけ言えるのが、人の人生を羨ましがっている自分がまだいるんですけれども、その人たちがやっている世界観を指くわえて最後まで見るのだけは嫌なんですよ。それを、とにかくぼくはずっと思っていて、例えば、あるテレビ番組をふと見たら、そこにはすごいきれいなビーチがあって、白亜の宮殿みたいのが建ってと紹介されて、「これ、いいな」と思った以上、人生取りに行きたいんですよね。それだけですかね。だから、俳優でも「いいな」と思ったら、自分が出たい、取りに行くしかないという、そういう感覚の連続ですねえ。
――あえてファンの方に『ピースマン』を読んでもらいたいとか、こういうふうに観てもらいたいということはありますか。
RIKIYA 中にたくさん書いてあるので、内容的な部分はあまりどうこうというのはないんですけどね。
―― 一冊の書籍になって、それを手に取られて、どういう実感がありましたか。
RIKIYA いよいよ形になってくるという喜びと、出たからには結果というものもついて回ってくるだろうし。そういう意味では、しっかりと結果に応えていけるのかという不安もあるけど、出なかった時期を思えば、絶対に出たほうがしっかりと決着付けられるという。これは、結構時間がかかっているから。
――今後、第二作、第三作と言うのはご自身の中でどうですか。
RIKIYA 二作目はいま書き終わって、この間、担当編集の方にも読んでいただいたんですけど、次はもっと身近な話題、自分がいままで経験してきた芸能界の中の話を、暴露本ではなくて小説ですけど、それを書こうと思っています。
――山川さんに認めてもらったというのがすごく印象的なんですよ。四十代の人間たちにとって、ある世代の一つのアウトローというか、山川さんはそういう立場でしたから。だから、その山川さんが認めたRIKIYAさん、それをある種のシンパシーというか、いいものを感じています。そういうことで自覚されていることはありますか。
RIKIYA 山川さんとの接点という部分では、ですね。いろいろな意味で、山川さんって面白いんですよ。すごくしっかりとした立場を作っているんだけれども、フリーな部分がすごくあって、僕らからすれば結構、こんなふうにきちんとしなければいけないのではないかとか、こういうふうにしなければいけないんじゃないかとか、三十代というのはがんじ絡めになりやすい時期なのかもしれませんが、そういうところで山川さんがポッと、さっきまで寝てたとか、人間らしい一面を見せてくれると、ふっと肩の力が抜けるところもあり、それでいて文章に対してはすごく厳しいときは厳しい。そういう意味では、どこまで山川さんと大人のいいお付き合い、そして駆け引きができるかなというのを楽しみにしていますね。
――山川さんというとロックというのがありますが、RIKIYAさんの中で音楽的なものとイコールするものはありますか。
RIKIYA この間、ライブを聞きに行ったんですけど、山川さんの音楽とシンクロするものはあまりなかったですね(笑)。でも、一つだけ言えるのは、山川さんは山川さんの世界で、あそこまで豪快に弾けているのを見ていると、そういう抜け感があって、すごくいいなと思いましたね。
――最後に、『ピースマン』のPRをお願いします。
RIKIYA ぜひ、『ピースマン』を手にとって、いままでにないタイプの旅小説に仕上がっていると思うので、『ピースマン』ワールドを覗いていただければ嬉しいなと思います。
――ありがとうございました。

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RIKIYA Interview [Part7]

――お父さんと語り合ったことはありますか。
RIKIYA 結構、話しますよ。
0708251――最近、話してみて特に印象に残っている言葉はありますか。
RIKIYA いつでも言うことは一緒で、とにかく真面目にコツコツやっていれば必ずいいことがあるからと。ただ、「必ず上を向いておけ。女神が通り過ぎるときは、上を向いてないと捕まえられないから」と言いますね。
――お母さんは。
RIKIYA おふくろはミーハーですよ。『女性自身』、大好きですよ。
――ああ、そうなんですか(笑)。ありがたいことですねえ。いままでのRIKIYAさんのファンと、女性自身の読者の方へ、この『ピースマン』を読んでもらうとしたらどの辺ですか。
RIKIYA そうですね、清々しい風みたいなイメージで読んでいただければいいかなと思いますね。こんな子供いかがですかとか、そんな感じですかねえ。
0708252――最近の子供がおこす事件に接していると、過剰な期待とか、過剰な押し付けをする親子関係が浮き上がってくるんですよね。そういった意味では、この『ピースマン』みたいな男の子の生き方は、いまの時代だからこそあり得るスタイルかなと思います。僕なんかが大学のころは海外に行くというのが流行していて、それを自慢するようなところがありましたが、それとは違うベクトルとして自分の生き方というか、旅立ちということに関するテーマとしてはあると思いますね。あえて言えば、大学・社会に入る前の高校三年生ぐらいの子たちがボンと一ヵ月ぐらい海外に行って厳しい面なり、楽園なりを見るということはすごく大事なことだと思いますが、人生の中で楽園をどうとらえていくか。また、皆にこうしてみたらどうかということがありましたら。
RIKIYA 自分の場合は、六十過ぎて、もしかしてエロスと言っているのかどうかわからないですけど、基本的にビーチ、ハンモック、エロスというのは自分にとっての楽園の大きな「三種の神器」にしているんですが、皆それぞれが楽園だと思うものはありますが、それがいま漫画とか、ネットの中のセカンドライフとかになってくるのであれば、その方向性は、五十代、六十代になったときに、本当に楽園だったのかなと、それが崩壊するときがくるのではないかと思いますが、ビーチとか、そういうものは永遠の楽園なのかなという気がするので、そういう意味での本物の楽園を見つけていくことは大切かなと思います。

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RIKIYA Interview [Part6]

070820_2――RIKIYAさんはそういうリアルな人生経験をすごく積まれてきたと思いますが、ボクサーから、モデルになられて俳優になられて、自分の中のリアルなものというか、俺にとってはリアルと言うのはこういうものなんだというものはありますか。
RIKIYA 自分の場合は、向上心を大切にしているかなという気はしますね。それと、結構曲がったことが嫌いなたちなんで、極力曲がらないように真っ直ぐ、真っ直ぐにしていく人生だったかなと思います。
――でも、なかなか真っ直ぐに生きるって難しいじゃないですか。
RIKIYA そうですね。
――自分の中で挫折したことの経験はありますか。
RIKIYA たくさんありますけど、ボクシングも自分の中で大きな一つの挫折でしたし。俳優になってからは、とにかく自分の役との出会いで、出会いがあったときはすごく満たされるんだけれども、今度、“役”がなくなって“役”をずっと待っているとき。それは、自分の“役”ということですが、そのときの状態というのはほぼ無職ですから、それはずっとまた挫折なわけですよね。普通の方は朝から晩までちゃんとした仕事が与えられているんだけど、僕らはそれをオフという形でもらっても、そのオフをどういうふうに使うかというのは、ある意味自由なんだけれども、そこにはいろいろ現実的な生活の問題であるとか、いろいろなことが日に日に黒い影を落としていく中で、必ずそういう時期が交互に来るわけだから。そういう意味では、成功と挫折がずっと積み重なってきているというのがここ何年間のすごく強い印象ですね。
――その中で、強い意志を持っていくのは難しいと思いますが、そういうときは、こうするんだということはありますか。
RIKIYA ほんとに、言い聞かせているだけですけどね、「絶対、自分はいける、絶対自分はいける」と。
――同世代で意識されている方はいますか。
RIKIYA たくさん皆のことを意識はするんだけれども、結局は皆それぞれフィールドが、それぞれの立ち位置なり、それぞれ違うから、そこまで明確なライバルはなかなか、意識はしないですよね。
――同世代のライバルというより、上を見ていたいという感じですか。
RIKIYA そうですね。上を見ていたいって、誰かの人生に、例えばいまダニエル・クレイブの名前を挙げましたけど、じゃあ「いま阿部さんにしてあげるよ」と言われても、僕は多分してほしいとは思わない。自分は自分であり続けたいということだから。まあ、皆そうだと思いますけど。僕は、そういう意味ではあまりその人との人生を、羨ましいなとは思うけれども、だからといって比較することにはならないかなという感じですね。
――ポジティブな生活感というか生き方は、子供のときからあった感じですか。
RIKIYA 昔から結構活発な子供でしたから。
――ご両親とかから強く影響を受けた言葉はありますか。
RIKIYA 自分の父親の影響が結構大きいなと思うのは、いまになって思うんですけど、小学校二年生のときだったと思いますが、父はそれまで大手のゼネコンで働いていたサラリーマンでしたが、それを辞めて、地元の和歌山で、うちのじいさんの会社を継いだんですね。そのときに十年ぐらい仕事がうまくいかなかったみたいで、なかなか厳しい時代だったようなんですが、当然、親父もすごく厳しい顔をしていて。でも、仕事が一つでも決まるとお菓子を買ってもらったというのがあったんです。その感触が自分が自由業をやり始めてからの感触とすごくダブってきているのが、ちょっと恐いなと。恐いというか、そういうのを見ていたから、そういうふうになっているのかなというか。何かシンクロしているんですよね、その感じが。その親父が、最近還暦を過ぎて、この間、大病を患ったんですが、それを克服したんですね。あまり言うと親父が嫌がるんですが、がんを克服したんですね。そういう部分で、去年ぐらいに親父が死ぬ一歩手前までいったけど、そこから復活してきて、そういう姿も見ながら、常に自分の親父は生き方の手本というか。いま還暦過ぎて、結構悠々たる人生を送っているので、そういう意味では親父の影響は大きかったと思います。

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RIKIYA Interview [Part5]

――この『ピースマン』を書き上げられて、今度は役者・RIKIYAとして、いままでは男っぽい役も多かったと思いますが、何か違う役に挑戦してみたいとか、変化はありましたか。
RIKIYA いま自分が納得する脚本であれば、何でもトライしていくことは変わりありませんが、三枚目とかもやりたいですね。
――そういったところで目標にされるような役者さんはいらっしゃいますか。
RIKIYA 日本の先輩で言えば阿部寛さん、僕はお会いしたことはありませんが、阿部さんがいまバランスがすごくいいなと思って見ています
――海外では?
RIKIYA 海外の俳優で一番すごいのは、ダニエル・クレイグですね。「007」を演じたクレイグ、彼はいま世界で頂点にいると思いますよ。
――『ピースマン』が映画化されると書いてありますが、もちろん出演されるんですね。
RIKIYA そうですね。
――主人公ですか。
RIKIYA いや、僕は“龍”という役でと思っているんですけど。
――原作者として、これを映像化するに当ってこういうふうにしたいなとか、ありますか。
RIKIYA イギリス映画でけっこう若いので『トレインスポッティング』であるとか、『ビーチ』はハリウッド寄りでしたが、クールでスタイリッシュな若者映画というのが、ヨーロッパからは入ってくるんだけど、日本から発信しているというのがなかなかないので、そういう意味では先駆けになってくれると嬉しいなと思います。
――まあ、『ビーチ』はちょっとドラマチック過ぎましたよね。
RIKIYA まあ、そうですね。
――『アカデミー』は日本映画とスタイルが違っていますが、そういった意味ではああいう感じというか、空気感が違うもの。割と乾いているというか、どうですか?
RIKIYA 僕は、『アカデミー』はもう少し湿っていたかなという感じがするんですねえ。全体的に中の世界というか。まあ『ピースマン』は基本的にアウトドアなんで、とにかく映像的に、タイに行ったときにも「楽園」という感じのイメージがドンと出ていけばいいなと思います。
――監督はもう決まっているんですか。
RIKIYA いま事務所の社長と打ち合わせ仲なので、まだ具体的な方のところまで行っていませんが。
――では、今回は事務所の社長がプロデューサーということですか。
RIKIYA そうですね。
――ブログでも拝見させていただきましたが、六月というのがテーマになっていますが、取材も始まって出版もされるということですが、今年の六月はどういうふうにとらえていらっしゃいますか。
RIKIYA 今年の六月は、やはり勝負の年だなと思いますね。
――ご自身の中で決めていることはありますか。
RIKIYA とにかく全力で『ピースマン』をプッシュアップしていくということだけですね。
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――例えば、十代の若い子たちに読んでもらうとしたら、どういうところを読んでもらいたいですか。
RIKIYA やっぱり旅に出てほしいというのがまず一つあります。それはどういうことかというと、いま結構、内向的になっている人が多いなというのをすごく感じるので。それはコンビュータが発達して、インターネットの世界でワンプッシュでいろいろな情報がわかるということで言えば、確かに僕よりも十歳若い人の二十歳というのは、僕が二十歳だったときよりも、情報量と言うのはものすごく持っていると思う。でも、絶対的に人と触れ合うという経験や、その土地の空気を吸ったとか、そこの土地のものを食べたという意味での実体験という部分では、もしかしたら、いまの二十歳の人は弱いのかなという気がするので、そういう意味では僕よりも若い世代の人たちには、もっともっと外に向いていくというか、そういう形で出て行ってほしいなという気がしますね。
――リアルな人生経験ということですよね。
RIKIYA そうですね。

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RIKIYA Interview [Part4]

07073010707302――ヒッピーというか、ある意味バンガン島は伝説の楽園のように言われた時期があったじゃないですか。実際に行かれてどうでしたか。
RIKIYA 僕のときは、まだ伝説の楽園だと思いましたねえ。
――年若く、初めてそこに入って見て、どうでしたか。いままでの日本のカルチャーとは全く違うもので衝撃もあったと思いますが、そこに取り込まれて。
RIKIYA こんないい世界が本当にあったんだなという、素直にそんな印象でしたねえ。もちろん、その後、長く滞在しているうちにだんだんいろいろなブラックなところも当然見えてくるわけですが、でも、初めの一週間とか二週間ぐらいはとにかく、すごい楽園だなと思いましたね。
――実際にそういう日本のカルチャーとはまた違うところのヒッピー文化に触れたときに、自分の中で何か変わったことはありましたか。
RIKIYA もともとボクサーだったので、酒も煙草もやらないまま二十三ぐらいまできていましたしたから。タイのヒッピーを交えて会話したこととかが地球環境のことだとか、宇宙のこととかを話して、これは決して悪い方向のことを言っているんじゃないなというのは一つ自分の中で大きく変わったところかもしれないですね。
―― 一つの共同意識ということですね。
RIKIYA ええ。
―― 一つの楽園から出た共同意識というか、人間との垣根の高さが変わったと思いますが、それは東京に帰って来て、その後の生活がどういうふうに影響しましたか。
RIKIYA 二、三年ぐらい社会復帰が大変でしたね。自分の中ではすごくフレンドリーに人と接しているつもりが、当時の出会った人の中には礼儀をわきまえていないと言われたり。例えば、初対面の人で、会うと必ず握手をしていたんですけど、それをすると、向こうの方で、日本人は礼儀の世界だから、お辞儀をするという世界だから、そこまでやると馴れ馴れしいと言われたことが結構あったりしました。
07073030707304――でも、握手はいいですよね。悲しいかな、日本の文化にはそういうのがないですから、オーバーアクションになりますが、その辺で変えていきたいようなところはありますか。
RIKIYA 僕たちでも、友達の間ではどんどんそういうものは受け継いできているし、それは日本のよさとして恐らく、友人関係はヨコ意識、そして社会はタテというか、昔ながらの年功序列的なもので、目上の方が嫌な思いをしないようにとか、そういう形で長い歴史の中で皆が「和をもって尊しとなす」ではありませんが、いい形で社会生活が遅れるようにできたシステムだと思うんです。そういう意味では、それだから、今どうということはないですね。
――二十代の旅を通していまの自分があると自覚されていますか。
RIKIYA そうですね。それまでは逆にタテ社会だったんですよ。ボクシングの世界なんかもすごい厳しいタテ社会だったから、いわゆるヨコというのはあまり明確に意識していなかったんですね。それは、海外に行って、特にファッションの業界はヨコがすごく強くて、デザイナーであろうと何であろうと、皆、すごい横意識で一緒に作ろうという意識が強かったので、「やっぱり、世の中って実はこうなのか」というふうに安易に考えてしまった部分がありましたが、芸能界に戻ってみたところで、やっぱり芸能界の世界は歴然としたタテ社会で、そこの壁というのが二、三年ぐらいしっかり考えさせられる時期があって、その中で、そういう意識になっていったという感じですね。

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RIKIYA Interview [Part3]

――いま社会が非常に暗い方向に向かっているというか、ここのところいろいろな事件があって、我々もノンフィクションのほうがフィクションよりも過激というか、そういう時代になっています。そういう中で、この『ピースマン』という小説が訴えかけてきていることというか、自分の中でこれを読んでほしいところはありますか。
RIKIYA やっぱり、めげない気持かなと思いますね。めげずに、とにかく、「楽園ってどこにでもあるんだよ」というところを、僕なんか二十代はそればっかり探していたような気がするんですけれども。これは自分も重ねて言えるんですけど、人って強いけれども弱い存在だと思うんですね。だから、社会で成功していくということに対して真摯に取り組んでいく姿勢は大切なんだけれども、それと同時にもう一つ自分の逃げ場所と言ったらおかしいんですけど、では、自分にとっての楽園って何なの? というところを同時並行で、表は表で、社会を攻めながらも、裏は裏で楽園的なものを自分の中で見つけていくというのはすごく大切なことだと思います。だから、僕の場合はたまたまモデルという仕事で海外に行く機会が多くて、けっこうたくさん休みも取れたので、バックパックしょって、のんきにいろいろ旅して、楽園探しに行きましたけど、普段きちんとした定職に就かれている方でなかなか休みが取れないという人でも、少し自分の中で「楽園って何なのか」なみたいなものを、自分にとっての天国って何なのかなというものを。それも漠然とした天国ではなくて、現実世界のなかでのパラダイスって何なのかみたいなものを読みながら、ちょっと思いを馳せていただければいいなと思いますね。
――例えば、バックパッカーをテーマにした書籍もたくさんあると思いますが、RIKIYAさんの中でいままで読まれたものの中で、例えば参考にしたものとか、逆にバイブルにしたものはありますか。
RIKIYA 『深夜特急』はいいなと思いましたね。
――『深夜特急』も、ある意味ブームになったと思いますが、ちょっとタイプは違うと思います。『深夜特急』は、割りと自分探しの要素が強かったし、世代的にも我々に近かったわけですが、明らかにベクトルが違う方向にあるのではないかと思うんですよ。自分の中では何か意識されましたか。
070723RIKIYA 意識的したというところで言えば、僕はあまり悲劇を描けないし、描きたくないんですよ。それは自分の方向性の問題で、皆、生きていれば辛いことはあるし、苦しいこともある。それをわざわざ、自分が表現者となるときはそういうことを取り立てて描くというのは自分の志向ではないというか。それよりも、めげずに楽しいことを見つけていく、懲りないで楽園探しをし続けていくというのが自分が比較的好きですねえ。
――旅行記といったら『深夜特急』があって、藤代冥砂さんの『ライドライドライド』があって、それに次ぐ新しいテーゼになるような気がするんですね、バイブルというか。小説の最後の「あとがき」のところに、友人のエリックさんが「旅に出るんだ」という言葉からRIKIYAさんが「旅」ということを意識し始めたと書かれていらっしゃいましたが、そこら辺の話を教えていただきたいのですが。
RIKIYA 自分が年上の男性に対して叶わないなと感じたのはエリックが初めてだと思います。二十代の未確定的なところもすごくあったと思います。単純に、「この人、ほんとにカッコいいな」というところもありましたけど、でも、いろいろな意味でスタイル、物の考え方、人に対する接し方という部分が彼は自分にとってはすごく輝いて見えたというのがエリックでした。本当に弟分のように彼に連絡をして、つながるまで連絡して、何かあったら連れて行ってくれというふうにして、後ろをくっついて行った時代が一、二年ぐらいありました。そういう時代があったけれども、彼が「あとがき」にあるように、あるときに東京に疲れてくると、必ず頭がパニックでエスケープというところで、どこかに行ってしまうわけです。ふと彼が一ヵ月ぐらいいなくなると、急に東京生活がつまらなくなってしまう。そのくらいエリックに心酔していた時期があって、どこに行っているのかなとすごく興味があって、旅って何なんだろうなというのがあって。聞くとバンガン島というキーワードがあったんです。実際に自分もそれに倣ってみようということで行ってみたというところが始まりでした。

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RIKIYA Interview [Part2]

――タイトルのほうの『ピースマン』、「NO FEAR、JUST ONE LIFE・・・恐がらない、人生は一回きりだから」というサブタイトルがついていますが、これは常にRIKIYAさんの中にあったテーマというか。
RIKIYA そうですねえ。比較的、僕はそれでも臆病なほうだと思うんですけどね。自分の中で考えたのは、ちょうど十八歳ぐらいのときだったと思いますが、大学受験するときに「自分が本当に強いヤツだったら、大学なんかに行かずに、もっとストレートに自分のやりたいことに100%で向かって行くのになあ」とふと思ったというのが、自分の記憶の中に一つあるんですね。そういう意味では、この『ピースマン』に賭けた思いというのは、もしあのとき自分が大学受験をせずに行っていたらこういうふうになっていたかもなという、ちょっとした自分の裏に近いようなところはあるんですね。
――改めて十八歳のときの自分と、小説の主人公を重ね合わせて、逆に自分の中で変えて書いてみたいようなテーマというのはあったんですか。
RIKIYA やっぱり海外に出たことで、自分自身、すごくいままで日本の中でずっと持っていたリズムというのが・・・ある種、水槽の中のカマスみたいなイメージが、海外に出たことですごく大海原に放たれたというか、広がりを感じたというのが、自分にとってものすごく大きくて。そこから物事に対するアプローチとか、大きな感覚で物を捕らえられるようになったのではないかと思います。だから、できれば、この『ピースマン』を読んでくれる読者の方には、旅行だとなかなかそうはいかないんですけど、旅に出ることで一度そういう世界観をパーンと日本の枠を外して出てみると、案外日本の中で行き詰っていて、毎日生活はしているんだけど、どうもしっくりこないなという人には、旅というのはいいだろうし、この『ピースマン』を読むことで何かそういうきっかけになっていくと思います。
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――RIKIYAさんが書かれたことは自伝的な要素があると思いますが、主人公が男子として等身大で描かれていますね。ご自身としてはそこもある程度オープンにして書かれたと思いますが、読者の側からRIKIYAさんと重ねられるということに対してはどうですか。
RIKIYA ご想像にお任せしますというところですが、その辺のところは、オープンでいいと思います。
――今回、登場人物は特徴のある方ばかりですが、実際にモデルがいらっしゃったわけですか。
RIKIYA はい。
――その方々への思いが、小説を書かせたということになりますか。
RIKIYA そうですね。例えば、ルッカというのも実際にタイで会ったヒッピーだったんですが、決して表舞台には出ない人だと思うんですね。なんだけど、持っている世界観が本当に筋金入りだったなというのがすごく印象的で、そういう人たちを書くことで、少しでも知ってもらえればなというのはありました。

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RIKIYA Interview [Part1]

――昨日、読ませていただきました。私は映画『凶器の桜』のRIKIYAさんのイメージが強かったものですから、カミソリのようなRIKIYAさんというか、ボクシングもやられているということで男っぽいイメージを持っていたので、こういう小説はちょっと驚きでもありました。
まず、この小説を書かれた経緯ですが。

0707081RIKIYA 僕はモデルからスタートしましたが、モデルにしても俳優にしても、モデルの場合はデザイナーがいて、俳優の場合は監督がいてという形で、必ず世界観の中の一部として自分たちの仕事というものを表現していくという形でずっと続けてきていました。そこで、自分の考えている世界観を出したいなと思ったときに自分に何ができるんだろうというところで、文章を書くのがアプローチとしては一番近いかなということで書き始めたんです。
――映画も何本も出られていて演技者としては知名度があるわけでし、そういったスタンスの中で文章を書くということは、あえて初めての世界への挑戦になるわけですが、そういうところに対して自分の中で臆することはありませんでしたか。
RIKIYA 初めは二十代の中盤ぐらい、いまから七年前に書きましたが、そのときは若いですからもっとイケイケ的なところがあったので、普通にやれちゃうだろうという勢いだけで書いてみたんです。そのときはあまり臆することはなくて、やっぱりその後です。書いた原稿が出版の目処が立たないというのが七年間ぐらい続いたときに、ようやくいろいろな意味で壁の厚さというか、書くことと、出版までの間の橋がすごい離れているんだなというのにようやく気づいた七年間でした。
――RIKIYAさんの世界観、書きたかったことと、山川健一さんに見いだされて出版へと進んだこと・・・年上の人間に認められたということに関してはどう思われましたか。同世代というよりも、年上の人から「いいんじゃないの?」ということだと思いますが。
RIKIYA 本当にそう思っていただけるのかなというぐらい不安な気持もありました。それまでに、断られたことが随分多かったので、本当に認めてもらえているのかなという不安はありましたけれども、その理由を聞くと納得できたので素直に有り難いことだなと思いました。
――そのとき、山川さんはどういうふうにおっしゃいましたか。
RIKIYA 「ここまで楽天的な小説はないね」というような話で、いままでの旅小説なり何なりは、従来主人公が鬱屈した何かを引きずっているというのが多いんだけれども、この『ピースマン』の場合には、海外に出た瞬間、その土地、その土地にすごくすんなり染まっていったというか。その能天気さがいいと言われました。
――確かに同じことを感じました。この十年ぐらい、自分探しみたいなことが一つのテーマじゃないですか。ニートや、ひきこもりが社会問題化して、世界がどんどん内々に入っていく中で、この小説の主人公は外に出た瞬間「ハッピー」という。この感じは、RIKIYAさん自身の中にあったことという感じですか。自伝的小説ということもあると思いますが。
RIKIYA それはいつも、内向的になるとなかなか物事っていろいろな意味で止まってしまって、人との交流も減って、自分の中でどんどん考えてはいるのだけれど、一向に出口が見つからないことが多いと思うんです。やっぱり、一歩外に出ることで誰かと出会う。一歩外に出ることで、それまで見過ごしていたものを再発見するというのが、自分の中ですごく多いので、どちらの時期も大切だとは思うんです。

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